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【実録】税務調査①_個人事業主Oさん、緩いケース

2025 6/16
実録
2025年6月16日
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  3. 【実録】税務調査①_個人事業主Oさん、緩いケース
税務調査体験版

※この記事は令和7年6月現在の法令に基づいて作成しています。

こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。

2025年5月のある日、当事務所初の「税務調査」の対応をしました。
2024年12月に開業し、少しずつお客様を増やしていますが、今回が初の「ハル税理士事務所としての税務調査対応」でした。
「初」とはいっても、会計事務所での勤続経歴を含めれば慣れたものですので、事前のリスク調査、本人との調整、本番対応まで、ある程度は予想の範囲内のものでした。
とはいえ、予想外だった部分も多いですが…。

目次

税務調査とは

2代目(予定)

せっかくなので、「税務調査」って何か教えてください!
よく聞く単語で、不吉なものという印象ですけど、実際にはどのようなものなのですか?

税務調査とは何か。
けっこう難しい問いかもしれません。

ここでは、「その会社のエリアを統括している税務署が行う、任意の調査」を対象に解説します。
強制調査は今回の記事の対象としません。

基本的に税務調査とは、脱税などの仮装・隠ぺい行為をわざと行っていない善良な個人事業主や会社にとっては「任意で行う、税務処理が正しいかどうかの確認行為」と言っていいでしょう。
ここでポイントとなるのは、「任意」という部分と「確認」という部分です。

①任意とは

古物商の店主さん

「任意」ということは、強制ではないので、調査は受けなくても良い、ということですか?

会社の存在する地域の税務署の税務調査は、たいてい「任意の税務調査」です。
強制ではありませんが、だからといって断る権利はない、というか危険です。

古物商の店主さん

「任意」なのに断ることはできないんですか…?

任意の調査ではありますが、断った場合には「推定」による更正処分など、税務調査官が持っている権利(質問調査権)に基づき、相当の対応ができます。
何が言いたいかというと、断ることは違法とまでは言えませんが、税務調査を受けた時に比べて、受けない方がより大きいペナルティを課される可能性が高いということです。

つまり、半強制と思ってください。

スタッフさん

うー、でも「任意」なんですよね。

もちろん、「強制」でなく「任意」なので、税務署側にも制限は多いです。

例えば一例として、「任意調査」にも関わらず、経営者の自宅に何の根拠も承諾もなく、勝手に入ってきたとしたら…。
それは税務調査官側の「住居不法侵入罪」が成立する可能性があります。

税務調査は「任意」ですが、実際には断ることができない程度の強制力(ペナルティ)を持っています。
しかし、あくまで「任意」ですので、勝手に自宅や会社に押し入ったり、日にちを調整せずに税務署側の都合で勝手に調査することはできません。
また、「税務調査を受ける義務はある」、しかし「受ける日程については融通がきく(税務署の言う通りでなく、納税者の都合でズラすことはできる)」ので、そこは税理士さんと相談しながらがベストです。

この点、かえって経験の浅い素人税務調査官は、ウソの内容でも「法律で決まっていますから」と訳の分からないことを言ってきます。
「任意」の意味を細かく把握する必要がありますね。

②確認とは

運送屋さん

うーん、「任意」についてもよく分からない部分があるのに、「確認」って何なんですか?
税金を取りに来るのが税務調査だと思っていますが…。

実は、「任意」であることより重要なことが「確認」という部分です。

税務調査というのは、そもそも「間違っている会計処理、仮装・隠ぺいが疑われる会計処理」について税金を追加で取り、ペナルティを課すことを目的として行われるものではありません。
あくまで税務調査は「過去の申告内容が正しいかどうか判断するため、保管されている申告書類や添付書類・領収書などが提出書類と一致するか確認する作業」です。
なので、税務調査官が御社のことを疑ってかかる姿勢は「任意の税務調査」の趣旨とはズレています。

あくまで、「正しい会計処理、税務対応をしている」ことを前提に調査に入ると思ってください。
つまり、最初から根拠もなしに経営者や会社の不正を疑ってくる姿勢は「任意の税務調査」の姿勢としては間違い、ということです(社会人としての姿勢としても間違いですね)。

もちろん、違法・脱税行為をしていればそこはツツかれてペナルティを受けますが、これは当然のことでしょう。
真面目にやっている以上は、「正しいことを確認しに来る」のだから、そう緊張する必要はない、ということです。
その真面目についても、税理士さんと普段から連絡を取り、相談していれば「一人よがりの真面目さ」にならずに済みますので、税務調査はさほど怖くもありません。

税務調査全般について、国税庁ではFAQの出していますので、見ておいて損はないです。

税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)

なお、税務調査の意義については、国税庁の広報にも表れていますね。

「税務調査は、申告内容が正しいかどうかを帳簿などで確認し、申告内容に誤りが認められた場合や、申告する義務がありながら申告していなかったことが判明した場合には、是正を求めるものです。」
国税庁ー税務手続について H28.4 2P 5行目(参考)から

③税務調査のコツ

スタッフさん

いつも先生言っていますけど、あらためて税務調査のコツを教えてください。

いつも言っている内容になりますが…

税務調査のコツ
  • 普段の丁寧な経理処理
  • 都度、税理士に相談
  • 調査前の事前準備

これだけです。
つまり、普段から「丁寧な売上・支出の計上を行う」。
そして、「迷う収入支出は、都度、税理士に相談する」。
最後に、「税務調査の前に税理士に過去3年の仕分をザッと見てもらう」。

税務調査は「正しいことを確認する」ものです。
3年も事業を行っていれば、ミスもありますし、法の解釈の違いもあります。
でも、ミスは認め、解釈の違いについては税理士を通して税務署員さんと話し合えば済みます。

これを社長独自でやらずに、その都度、税理士に相談することです。
相談することは、人生の基本と思っています。

普段から丁寧に売上支出の整理を行い、都度税理士に相談、税務調査の際には下準備。
コツというか、王道の方法と思います。

個人事業主Oさんのケース

運送屋さん

今回は、どういう流れで税務調査になったんですか?

①経緯やプロファイル

まず、個人事業主Oさんのプロファイルを簡単に。

個人事業開業4年目
業種:海外輸出
地域:北陸

古物商の店主さん

海外輸出…。
佐々木先生が得意のEbayですかね?

Ebayがメインの方ですね。
どうしても、海外輸出は消費税還付となるため、国税システムKSKで目立ちますし、税務調査の対象になりやすいです。
そして、輸出業ならではのポイントがあるため、税務署にとってはケースによって大きな加算税、延滞税を狙いやすい業種でもありますね。
他の業種よりも税務調査の確率が高い事業だな、という実感があります。

そして、個人事業主Oさんも開業4年で、大きく売上を伸ばしており、「まぁ、税務署でなくても気になるよなぁ」という事例でした。

②前準備

2代目(予定)

佐々木先生は、けっこう顧問先と前準備をする方だって言っていましたが…。
今回も準備したんですか?

当事務所は、税務調査の通知がありましたら、少し時間を空けるようにしています。
即日受ける方がよいという、シンプルかつ剛直な社長さんもいますが、基本的には少し時間を置いてもらうようにしています。

その間に「過去3年の取引をザッと当事務所で精査、税務署のツッコミを予想する」ということを社長と一緒にします。
そのうえで、「これは明らかに会社側の落ち度で、税務署のツッコミに耐えられないなぁ」という部分は、事前に修正申告をするか社長と相談しています。

スタッフさん

自分で申告するといいことあるんですか?

明らかに納税者側のミスや勘違いがあった場合には、事前に修正申告をしてしまった方がペナルティが軽いです。
また、重加算税という思い処罰を受ける可能性がグッと減ります。
そのためにも、調査の通知から実施までは少なくとも1週間以上空ける方が良いと思っています。

また、ebay事業をされている方は、1か月以上空けてもらうこともあります。
単純に「輸出証明をクーリエから取り寄せるのに3週間程度みた方がよい」からです。
自分の顧客には年に一度は「輸出証明は年に1回、必ずクーリエから取り寄せましょう」と言うようにしていますが、税理士を途中で私に変更した場合には、前の税理士さんからのアドバイスがないなどで保管していない場合が多いです。

個人事業主Oさんも税理士を私に変更したばかりでした。
輸出証明は取り寄せていなかったため、最初に税務署から電話があった時点で「納税者本人の輸出証明の保存状態をこれから確認します。本人がまだ取り寄せしていない場合、クーリエから取り寄せするのに2,3週間かかることがあるので、すぐの税務調査は難しいかもしれません」と伝えました。
結果、実際に取り寄せに2週間以上かかったので、結果はオーライでした。

ちなみに、今回の調査はOさんと私の距離が離れているため、事前に税務署に「調査は1日で完結するようお願いします。データについてはきちんとお渡ししますし、現場で分からない点については、追って連絡いただければ責任持って対処します。」と伝え、調査は1日との確約をもらっていました。
ここらへん、税理士が遠方の場合には税務調査の日数短縮として使えるテクニックですね。

③本番

A.本番の予想ポイントなど

2代目(予定)

このケースでは、結局は事前に修正申告したんですか?

今回の個人事業主Oさんのケースは分かりやすい事例でした。
税務調査の前から、すでに言われるポイントが税務署側、納税者側ともに分かっていました。

では、事前に修正申告をした方がペナルティが軽い…というケースでもありません。
税務署側は実はすでに私の前の税理士とOさん本人に「Oさんのここが違っていますので、ご本人と相談ください」と通告してありました。
これを「机上調査」と言います。
実際に会社や自宅に税務調査に来ていなくても、机上での税務調査として成立している状態ですね。
ですので、今回の場合は実地調査の前に修正申告をしてもペナルティの軽減はありません。

そして、内容として重加算税がかかるタイプのものでないため、Oさん本人と相談の上、そのまま本番を迎えることにしました。
(かえって、事前に修正申告をしない方が有利と判断したため)

その他、Oさんご本人の経費に「税務署に突っ込まれるといまいちよろしくないなぁ…」という点が数点あり、しかも目立つ科目(交際費など)だったので、理論武装と交渉になった際の落としどころについて考えていました。

B.当日の動き

運送屋さん

調査当日は嫌ですね。
緊張します。
今回はどのくらいの時間がかかったのかな…?

さて、当日ですが、実は1日かかりませんでした。
お互いに言われることが分かっている状態。
とはいえ、納税者側の経費にはちょっとよろしくない点も多く、そこを言われた場合に備えて、ちょっと緊張しながら臨みました。

  • 売上チェック(売上除外がないか)
  • 仕入、在庫チェック
  • 外注先チェック
  • 輸出証明の抜き取りチェック

と予想された順番で進み、取引内容についてOさんの説明、私のフォローと進んで行き…。
核心の事前通知ポイントの説明。
ここは明らかに納税者側の落ち度(というか、前の税理士さんの落ち度)なので、修正申告を約束してOK。

時間は11時30分を過ぎ、そろそろ一旦昼休憩に入るかなぁ、と思っていたら…。
「本日はありがとうございました。売上等一連の確認ができました。先生も遠方から来られていますので、今回の調査はこれで終わりということに…」

思わず、「えっ!」と言いそうになりました。
税務調査の対応はそれなりにしていますが、初日の午前で終わることは初めてだったので、さすがに驚きました。
たしかに、事前通知のポイントがそれなりに増差所得を稼げるものなので、それだけで終わることもあり得ると思っていましたが、それにしても午前だけで終わりとは珍しい…。

予想では、「交際費」などのちょっと突っ込まれたくないポイントを聞かれて、交渉が発生すると考えていましたので、事前に分かっていた項目だけ、かつ、初日の午前で終わるのは予想外でした。

C.税務調査後

古物商の店主さん

なんか、かなり簡単な税務調査ですね。

Oさん本人も「えっ、こんなもんなの…」という印象になったに違いありません。
税務調査が早く終わるのはありがたい反面、初めて税務調査を受けるOさんには後で「厳しい調査はもっと突っ込まれますし、今回がラッキーだっただけです」と言っておきました。

あまり、今回の税務調査が全国の調査のスタンダードと思うと、経理処理がいい加減になったり、緩い支出になったりしてよろしくないのです。
また、個人の場合よりも法人の税務調査は長引きますし、厳しい傾向にあります。
将来的に法人化の可能性もあるOさんにはしっかりと経理を引き締めるよう伝えました。

とはいえ、「売上除外の調査」「輸出証明の見られ方」「外注先の関係」「在庫チェック」など、やはりきちんとしていないとまずいポイントは伝わったと思います。
時間は短く、ダメージも最小限でしたが、税務調査独特の「他人に厳しくみられる経験」が少しは伝わったと思います。

D.その後

運送屋さん

そういえば佐々木さんは、税務調査の後は打ち上げ(反省会の場合も)をしているそうですが、今回は…。

税務調査の後は、だいたい経営者さんを誘って一杯やることが多いです。
遠方の場合には直接会って現状や今後の夢とか聞くチャンスですし、経営者側から普段は聞けない悩みが飛び出す場合もあります。

今回も、Oさんと夜に近くの居酒屋で待ち合わせて飲みました。
ebay事業を今後どのように展開するのか、違う事業も起こすのか、インボイスの特例が切れるタイミングで何が起こりそうか…。
たっぷり2時間以上話し合って、解散しました。

今回の感想

スタッフさん

調査お疲れさまでした~。
って、半日だから疲れていないですかね?

いえいえ、実はけっこう疲れました。
今回の調査のほどんどの部分を前の税理士さんが調製しており、その解読から入りました。
そして、税務調査にはどちらの税理士が入るか、どの程度の情報を前の税理士さんからもらうか…。
けっこう事前調整にエネルギーを食いました。

2代目(予定)

そういえば、今回の調査のポイントは、すでに前の税理士さんに税務署から話が行っていたとのことですが…。
事前に修正申告をしておけばいいのでは?

その点も、「単に前の税理士さんが処理を忘れていただけでは」と、税務調査の本番でも税務署員を交えて話に上がっていました。
まぁ、正直なところ、前の税理士さんのミスだと思います。
なにせ、修正申告しようと思えば、30分もかかりません。
税務署から連絡もらった時点で修正申告をしておけば、今回の調査自体なかった可能性も高いです。

とはいえ、前の税理士さんとOさんのやり取りを正確に知っているわけではないので、当たり障りのない範囲で前の税理士さんとやり取りし、うまく最後まで調査を終わらせたのが正直なところです。

スタッフさん

まさかの、人間関係で苦労するケース(笑)

あと、Oさんの住んでいる地域まで高速で4時間以上かかったので、当日の朝3時台に出発しました。
よって、9時の税務調査開始時点で疲労感がたっぷりでした(笑)。
その疲労した顔を見て、税務署の人も哀れに思って早く解散してくれたのかも(笑)。

とりあえず、事務所発足して初めての調査は、事前対応から当日までかなりうまくいったケースとなりました。
やはり、税務調査は「普段の丁寧な処理」と「事前の準備」ですね。

税務調査を含め、相談はお気軽に。

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    新潟市で税理士事務所を運営しています。
    公務員、大手製造メーカー、会計事務所と経験して、令和6年12月にハル税理士事務所を開業。
    現在は「経営者と一緒に成長していく」をモットーに活動中。
    趣味は軽登山(トレラン)、温泉、ゴルフ。

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