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【所得税】住宅ローン控除と事務所経費

2025 3/07
所得税
2025年1月9日2025年3月7日
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住宅と税金

※この記事は令和7年1月現在の法令に基づいて作成しています。

こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。
お客様の個人事業主さんからたまに相談がある事項「住宅ローン控除を使いたいのですが」と「自宅を事務所にしたら経費になりますか?」。
これらが別々に問い合わせされていれば問題ありませんが、ある1人の個人事業主さんが両方の話をしたときには要注意という記事です。

目次

住宅ローン控除と事務所経費

運送屋さん

佐々木さん、自宅を事務所として使おうと思っているんですが、注意点ありますか?
自宅で事務している分の光熱水費とかを経費に計上したいんですが…。

この運送屋さんのように、個人事業主で外での配送がメインであっても、請求書・見積書の作成、経理処理、仕事道具の保管などで自宅の一部を事務所として使うことは多いでしょう。
この際に、住宅ローン控除を利用していると注意点が多くなります。

1.住宅ローン控除とは

古物商の店主さん

そもそも、住宅ローン控除をよく理解していないかも…。
名前はよく聞くんですけど。

住宅ローン控除について、簡単に説明しますね。

マイホームの建設、購入にあたり金融機関から借入をした際に、その年のローン残額の0.7%程度を税額控除できる制度です。

かなり大雑把に説明しました。
実際には、「住宅ローン控除」だけで数ページ使うくらいに論点がありますし、頻繁に改正されています。
ちなみに、正式名称は「住宅借入金等特別控除」です。

細かな説明はしませんが、制度の利用には次のような条件をクリアする必要があります。

住宅ローン控除の利用条件の例(新築の場合)
  • 住宅が一定の省エネ基準に適合している
  • 住宅の引渡日または工事の完了から6ヵ月以内に居住
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上が自身の居住用である
  • ローンの返済期間が10年以上
  • 居住用にした年とその前後2年ずつを合わせた計5年間に、居住用財産の譲渡による長期譲渡所得の課税の特例といった適用を受けていない
  • 「建設住宅性能評価書」または「住宅省エネルギー性能証明書」の交付を受けている
運送屋さん

けっこう、条件が多いんですね…。

けっこう条件が多いんですよ。
専門的な部分は建築会社がカバーしてくれますので、そんなに気にしなくとも大丈夫です。
そして、上の表の「床面積の2分の1以上が自身の居住用である」という部分が今回のポイントです。

条件を満たせば、その年のローン残額の0.7%を税額控除できます。

古物商の店主さん

0.7%だと税金を減らす効果少なそうですね。

0.7%と聞くと、「少ないなぁ」と思う方が多いですが、実際にはかなり強い効果です。
税金を減少させる控除制度には「所得控除」と「税額控除」がありますが、住宅ローン控除は税額控除ですので、かなり税額が減ります。

例:住宅ローン残高 2,000万円
  所得500万円 所得税額 47万円

 住宅ローン控除額 2,000万円 × 0.7% = 14万円
 所得税額 47万円 ー 14万円 = 33万円
 (復興税額は無視して計算しています)

上記の例の場合ですと、所得税額が47万円 ⇒ 33万円 と2/3くらいになっています。
けっこうな減税効果です。

2.事務所経費

個人事業主の方はご自宅を事務所にされる場合が多いです。
その場合に、事務所の維持にかかった支出は当然に経費として計上が可能です。

スタッフさん

たしか「家事按分」って言うんですよね?

そうです、「家事按分」といって、「事業で使う分と家事=プライベートで使う分を分ける」という作業が必要になります。
とはいっても、何かテンプレや公式があるわけではなく、「実態」に応じて区分けします。

古物商の店主さん

そうはいっても、自宅の事務所としての利用分…
電気代がどのくらいかかっているか、水道料はどうするか、とか分からないです…。

あまり、厳密に考え過ぎる必要はありません。
もちろん、テキトーなのもいけませんが、「普段の使用の状況に応じて」割合で分けることが多いです。

例えば、光熱水費であれば、事務所の面積/自宅の面積 とかにしていることが多いです。
例:自宅の床面積 120㎡、 事務所の床面積 30㎡
  ⇒ 30㎡/120㎡=1/4 ⇒ 光熱水費の1/4を計上する、という感じでしょうか。

これも「なぜ1/4にしたのか、という理由をメモして説明できるようにしておく」ことが大事です。
上の計算式のようなものでもいいですし、さらに具体的に4部屋のうち1部屋を事務所専用として使っている、でも良いと思います。

スタッフさん

お客さんが来た時だけ使う灯油ヒーターと灯油は「事業按分」しなくてもいいですか?

事業のみに使用しているものは「事業按分」の必要はありません。
ただ、「日常でも使うでしょ」というものは、プライベートでも使っていると疑われる可能性もあります。
疑われそうなものは、理由や状況を説明できるようにしましょう。

住宅ローン控除と事務所経費の併用のリスク

運送屋さん

結局、私は自宅を事務所にして経費を計上しても大丈夫でしょうか?
今までの説明見てると、少し不安が…。
そういえば、住宅ローン控除使っていますけど、いいのかな…?

上記でも説明してきた中で、今回問題となるのは住宅ローン控除の要件の一つとして「床面積の2分の1以上が自身の居住用である」ところです。
つまり、自宅を事務所にする場合で、住宅ローン控除も併用して使おうとすると、「事務所の面積は自宅の2分の1未満にすべし」ということになります。
さらに言うと、住宅ローン控除は「マイホームの建築等に充てるためのローン」に優遇措置を持たせたものです。
事務所として使えますが、事務所にした部分は住宅ローン控除の対象から外れます。

結局、住宅ローン控除を利用している個人事業主さんが自宅を事務所とするかどうかについては、可能・不可能、有利・不利の検討が必要となります。

住宅ローン控除と事務所経費の併用ができない理由を押さえる

また、運送屋さんのように住宅ローン控除と事務所経費の併用をするパターンは大きく二つあります。

  • 自宅建築の時から事務所として使うことを念頭に住宅ローンを借りた
  • 自宅建築後数年してから脱サラ、独立して自宅を事務所にしようとする

上記のうち、住宅ローン控除を利用しながら自宅を事務所として利用できる確実なパターンは、「自宅建築の時から事務所として使うことを念頭に住宅ローンを借りた」の状態です。
この状態は、住宅ローンの対象に事務所部分が該当していないので、問題なく併用できます。

では、「自宅建築後数年してから脱サラ、独立して自宅を事務所にしようとする」状態はどうでしょうか?
この場合、税法以前に銀行との関係性で困難な場合が多いです。

住宅ローンは前述のとおり「マイホーム建築」のための低金利長期返済の優遇措置です。
これを事務所に充てるのであれば、金融機関にとって低金利長期返済の優遇措置をする必要がなく、事業用のローンと同様の金利や返済期間にすればよいわけです。

何が言いたいかというと、「住宅ローンを組んでいる自宅を金融機関に内緒で勝手に事務所に転用はダメ」ということです。
バレるバレないではなく、契約違反です。

つまり、「自宅建築後数年してから脱サラ、独立して自宅を事務所にしようとする」ケースにおいて、併用を可能にするには、次の方法となります。

  • 金融機関に事情を話す
  • 事務所部分だけ事業用ローンに借り換え、もしくは一括返済する
  • 住宅部分は住宅ローン控除、事務所部分は経費計上する

正直なところ、あまり現実的でない方法だと思います。
住宅ローンを一部繰り上げ返済してまで、事務所経費を計上するのか。
(事務所の経費計上による減税効果と繰り上げ返済による住宅ローン減少による増税効果のどっちが勝つのか?)
そもそも、金融機関が許してくれるのか?
(脱サラして収入減ったことを伝えるリスク、抵当権も付けているし保証協会も絡んでいるでしょうから…)

自宅建築後数年してから脱サラ、独立して自宅を事務所にしようとするケースの対応

運送屋さん

まさしく私のパターンですが、どうしたらいいでしょう…。

個人的に、この手の相談が来ましたら、住宅ローン控除の経過年数を聞いて、少なくとも住宅ローン控除が使えなくなる10年経過または13年経過までは自宅を事務所として使う方法はやめた方が良いと伝えます。
そもそも、住宅ローン控除によりけっこうな減税の恩恵を受けていますので、それを数値でしっかり伝え、下手に金融機関との契約違反のリスクは負わないようにアドバイスします。

住宅ローン控除の期間が経過していたら、あとはローンだけの問題となるので、一括返済して自宅を事務所にする選択肢が浮上します。
その時の個人事業主さんの財政状況しだいですね。
ただ、一括返済する余裕があり、事業も好調であれば別に事務所を借りる選択肢もありますけどね。
(従業員を増やしたりする予定がある場合は、事務所を借りる方が良いです)

自宅建築の時から事務所として使うことを念頭に住宅ローンを借りたケース

この場合は、問題なく併用が可能です。

そもそも、事務所として利用する部分は住宅ローンを借りていない状態となっているでしょうから、金融機関との摩擦の心配もないでしょう。
事務所部分の経費は事業経費として問題ありません。
光熱水費など事務所部分の家事按分だけ、きちんと根拠を用意しておきましょう。

まとめ

運送屋さん

ありがとうございました!
金融機関と変にトラブりたくないので、今まで通りでいきます。
それに、住宅ローン控除でけっこう減税できていることも分かりましたし。

今回の説明は、大枠での説明です。
こういう相談は、その個人事業主さんがそれぞれで状況が大きく異なります。

ケースによっては住宅ローン控除の途中でも一括返済して事務所経費を取った方が良い場合もありうるでしょう。
(住宅ローン自体がそもそも少ないとか、すでに自宅を事務所用に改装してしまったとか…)

ただ、私も税理士として覚えておかなければならない基本は、「住宅ローン控除は住宅にしか使えない」「住宅ローンは住宅のために優遇措置で借りている」という部分です。
当たり前といえば当たり前ですが、クライアントに有利に有利に考えると基本が抜けることがあるので、こうやって自戒の意味も込めて記事にしています。

住宅ローン控除や自宅を事務所にする際の相談は気軽にどうぞ。

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    新潟市で税理士事務所を運営しています。
    公務員、大手製造メーカー、会計事務所と経験して、令和6年12月にハル税理士事務所を開業。
    現在は「経営者と一緒に成長していく」をモットーに活動中。
    趣味は軽登山(トレラン)、温泉、ゴルフ。

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