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【経営】個人事業主が会社を作るメリットは?

2025 11/16
経営
2025年11月16日
  1. ホーム
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  3. 【経営】個人事業主が会社を作るメリットは?
個人?会社?

こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。
今回は「個人事業主が会社を作るメリット」「法人成りのモチベーション(動機)」という内容です。
脱サラして個人事業主を開始して2,3年して、利益が安定した方からよくもらう質問です。

実はこれは答えのない難しい質問です。
当事務所なりに「資金(節税)」「経営」の面から回答してみます。

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目次

個人事業と法人事業の違い(税制面、資金面、経営面)

運送屋さん

佐々木さん、うちの事業について、時々「法人化してもOKな環境ですね~」とおっしゃいますよね。
あまり気にせずにいましたが、今回は「個人事業主と法人の違い」について教えてください!

この「個人事業主と法人の違い」という質問、私が税理士をしていて出会う確率トップ5に入る質問です。
個人事業主さんについては、トップ1の質問ですね。

そして、実は「確実な答えのない質問」でもあります。
なぜなら「その個人事業主さんの目標、利益や環境」によって答えが変わるからです。
この点、はっきり言えば「法人設立の目的が「節税」はあまり良くない」と当事務所は考えています。
「法人成り」をするなら、「節税」という目的でなく「組織の拡大」「信用の強化」「取引条件の改善」「社長同士のつながりの構築」など事業のための目的で行う方が本道と思っています。

1.税制面の違い

スタッフさん

佐々木先生の信条は分かりました。
でも、とりあえず税金がどう変わるのか知りたいです!

個人と法人で、税制面でどう変わるのか?
これは、個人事業で年1,000万円の利益など、一般の会社員と比べて高い所得を達成した場合に気になることですね。
個人で一定以上の所得を達成すると、税金面・社会保険料で負担が大きくなり、「会社設立したらどう変わるのかな?」と気になる部分でしょう。

①税率の違い

個人は「所得税」、法人は「法人税」がかかります。
とりあえず、単純に両者の税率を比較してみましょう。

所得税…所得に応じて5%~45%。
法人税…年間所得800万円以下:15%
    年間所得800万円超:23.2%

運送屋さん

おぉ、所得税は「5%~45%」って、幅が広過ぎますね!
法人税は、最大でも23%ちょっとですか。

ただ、この税率をそのまま当てはめても、実はあまり意味がないです。
法人の場合は、たしかに税率は15%~23.2%と低く見えます。
しかし、法人から役員報酬として個人に資金が移動する際には、所得税がかかります。

スタッフさん

あれ、結局は所得税の5%-45%の税率になるんですか。

そうです。
結局、個人が自由に使えるようにするには、法人から個人への資金の移動が必要です。
その代表は「役員報酬=給料」ですが、結局は所得税がかかります。
給与には給与所得控除という税金を安くする効果がそもそも備わっているので、メリットになることも多いですが、単純比較は難しいです。

その他、節税テクを組み合わせれば結局は法人の方が税率は安いとなりますが、法人税率が単純に安いはあまり意味がないということです。

②税制の違いーデメリット

法人のデメリットの話になりますが、法人は維持費(ランニング)がかかります。

その一つが「地方税の均等割」です。
これは、法人の場合は「赤字でも最低7万円/年は地方税がかかる」ということです。

内訳は、都道府県税が2万円、市町村民税が5万円かかります。
赤字だろうがかかる費用があるのは、少しプレッシャーですね。

基本的には、税制のデメリットはこの「赤字でも税金がかかる」ということです。

③税制の違いーメリット

古物商の店主さん

はあ、やはり法人を設立するとお金かかるんですね…。
でも、メリットもやはりあるんですよね?

もちろん、税制面でもメリットは多いです。

細かい説明は他の記事で説明していますが、圧倒的に節税メリットは法人の方が優れています。
特に、「役員退職金」「出張旅費」「家族役員」「自己物件での不動産収入」あたりは定番の方法ですね。

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会社を設立した経営者の方は、状況にもよりますが節税手法を採用している方が多いです。
顧問税理士さんから教わるパターンが多いと思います。
もしも、会社設立してそれなりに利益も出ているのに節税対策をまったくしていないとしたら、税理士さんに相談した方がよいです。

2.資金面の違い

スタッフさん

うーん、税制だけ見ると、法人と個人のどっちが良いかサッパリですね…。

基本的に、売上が増え、利益が拡大するに従って法人の方が有利になります。
しかし、その分岐点が「職種、経営者の年齢、環境」に大きく左右されるので、単純比較は難しいです。

ただし、これから伝える資金面と経営面の方が法人化にあたっては重要な要素だと思っています。

①個人との違いー会社の財布は自分の財布ではない

古物商の店主さん

会社の財布は自分の財布ではない…。
どういう意味ですか?

個人事業主さんが法人成りした場合にけっこう面食らうポイントがこれです。

「会社名義で作った銀行口座は、あなた(社長)の口座ではありません」

運送屋さん

まぁ、たしかに会社の口座は会社のものでしょうけど。
でも、社長一人の会社とかなら結局社長のものじゃないんですか?

ここが、会社を設立して経営していくうえで重要かつ経営ミスにつながりやすいポイントです。
個人事業主であれば、銀行口座は「自分名義」ですし、給料も何もありません。
自分で作った売上、粗利を好きなように使えばいいです(固定費、返済、税金はちゃんと払ったうえですが)。

しかし、法人を設立し、法人で作った売上、利益は「法人のもの」です。
そして、「法人の口座の中にある資金」を「社長の口座」に資金移動するためには「必ず合理的な理由が必要」です。

例えば、

  • 社長へ給与を払う
  • 法人が社長から借りているお金を返済する
  • 社長の旅費を支払う

などの「会社から社長へ必要だから資金移動する」という事実が必要なのです。
その理由に応じて「所得税」などの税金が発生する場合もあれば、「消費税」の納税額が減る場合もあります。

ここらへん、説明すると長くなりますし、難しい論点ですが、個人の財布と違って「簡単には資金を社長に移動できない」という認識が必要です。
この認識がないため、例えば「社長の母に対し、会社の資金で仕送りをする」「会社の経費とは認められない交際費を支出する」などの行為により、役員貸付金が膨れ上がり、融資を受けられない(または、早期返済を求められる)、必要資金が不足していることに気付かない、という事態に陥っている会社がたまにあります。

この「会社の財布」「個人の財布」というテーマは、そのうち記事にしたいと思っています。

②融資は受けやすい

①の反面ですが、しっかりと資金計画を立てている会社なら、融資は受けやすいです。
それこそ、個人事業主のときに受けられなかった額の融資が、法人なら簡単に受けられることもあります。

この融資が受けやすい理由の一つが、「会社の口座は個人の口座とは別」というものです。
設立した社長ですら、会社のお金を自由に動かすことはできません。
勝手に会社のお金を持ち出す、使い込むなどすれば「横領」ですし、法人税法上は「役員賞与に認定され、全額否認。重加算税」という厳しいペナルティを受ける可能性もあります。

個人の口座と違って制約が多い分、「クリアに会社のお金を運用していますよね」という評価を受けることができ、会社の信頼性が上がり、融資につながるのです。

もちろん、そのためにはしっかりと「資金の使途を明確にしている」「法人としての資金計画がある」ことが条件です。
この点、会社を設立したのに融資がいまいち受けられない、という方は税理士さんから状況分析してもらった方がいいです。

3.経営面の違い

運送屋さん

うーん、今回、難しいテーマですね。
内容も難しいし、答えが見つからないですよ…。

個人事業主の方が法人を設立するというテーマは、「節税」で考えると難しいですし、答えは税理士によっても変わります。
なので、当事務所のお勧めはこれから伝えるポイントで「法人化したい!」と思えるかどうか、だと思います。

メリット① 従業員(外注)を雇用しやすい

法人化の一番のメリットはこれかもしれません。
個人事業で経営が順調になってくると、必ず「マンパワー不足」に陥ります。
「従業員かパートさんがいて、細かいところしてくれるだけで、月にあと数件受けられるのに…」という状況が頻発するようになってきたら、それはマンパワーを増やす検討をする時期です。

とはいえ、個人事業主だと応募はないことが多いです。
自分が働く従業員の立場になれば分かりやすいですが、「株式会社ハル商事」と「ハル商事」なら、単純に「株式会社」と着いている方に人は応募します。
たとえ、社長1人の会社であったとしても、「株式会社」とついているだけで「社会保険」「福利厚生」がしっかりしていて「簡単には倒産しない」「ちゃんとオフィスがある」というイメージになります。

従業員の応募を受けやすい、という点では、確実に個人事業主よりも法人が勝っています。
マンパワーを増やし、規模を大きくしたい人は法人設立を検討されてください。

メリット② 融資を受けやすい

個人事業主と大きく違う点の一つが「法人の方が融資を受けやすい」という点です。
金融機関からの評価が、法人であるだけで数段上がります。
個人事業主時代よりも融資を受けやすいですし、金融機関の対応も変わります。

ただし、これは「きちんと経理をして、資金の流れを社長が把握している(もしくは財務担当に把握させている)」ことが条件です。
社長が「自分の財布と会社の財布を混同している」会社だと、融資は難しい場面も多いです。

スタートアップの企業では、社長と税理士で互いに相談しあい、事業にかかる資金を把握して「資金繰表」に落とし込めていれば、確実に融資を受けやすい会社となります。
もちろん、そのような会社は倒産しづらいです。

メリット③ 交渉・取引で差が出る

法人だと元請け、下請け(外注さん)への対応も変わります。
個人事業主だと交渉も何もなく、言い値(日当)で対応することが多いですが、法人となると交渉が可能になるケースも出てくるはずです。
法人の場合は従業員への社会保険、事業のための損害保険などランニングが多いという認識となるため、元請け側も無理は言えないという姿勢になることが多いです。

また、下請け(外注さん)に対しても、個人事業主から個人事業主への外注と違い、法人から個人事業主への外注となれば、目線が変わって外注さん側の姿勢が変わることがあります。
会社に言われれば仕方ない、とか、会社側の都合に配慮してくれる場合もありますので、やはり個人事業主の時代とは差が出ます。

ここらへんは、相手(下請け、外注さん)の姿勢にもよりますが、会社を設立した時点から元請けとしての立場も強く備えることになるので、対応の仕方を変えることも検討できます。

メリット④ 事業承継がしやすい

これは、若い経営者さんにはまだ実感はないと思います。

ある程度の年齢となり、自分の引き際や会社のその後を考えた時に、会社の方が次世代に引き継ぎやすいです。
特に「許認可事業」の場合は差が出ます。

「建設業許可」「宿泊業許可」「飲食業許可」など、許認可により営業できる事業の場合、法人で認可を持っていれば社長が変わっても認可を取り直す必要はありません。
これが、個人事業の場合は、事業を引き継いでも認可は引き継げないため、次の経営者があらためて取り直す必要があります。

そのほか、「代表取締役を2人で並行して経営する」など、事業の引継ぎにあたって伴走期間を持つことも可能です。
その他、建物、車両などの名義を変える必要がないのもメリットですね。

もちろん、法人の方が事業承継先を見つけやすいという、そもそものメリットもあります。

デメリット 経営自体が個人よりも難しい

運送屋さん

なるほど。
うちも従業員が不足することが多いので、やはり人の募集しやすいのはいいですね!

スタッフさん

でも、法人ってなんか経営難しそうですよね…。

法人は個人に比べて「社会的信頼」という強い武器があり、「融資」「従業員募集」「交渉」で個人よりも優位に立てます。
その反面、経営が難しいという点があります。

具体的には、次のような点が慣れるまで難しい点です。

  • 役員報酬は期首から3月しか変更できない
  • 役員賞与は事前に税務署への届出制
  • 役員報酬、賞与など「株主総会議事録」で決定する必要がある
  • 法人での税金と個人での税金が混ざる

ここらへん、一つ一つを説明はしません。
法人では個人と異なり、「いろいろな制度に縛られる」という点を覚えておきましょう。
ただし、税理士さんからしっかり説明を受け、特に法人設立した最初の1年は一緒に伴走してもらえば怖いことはありません。

法人設立した最初の1年(正確には設立前から)は、本当にいろいろと税理士さんに相談すべきですし、相談できるs税理士さんを選んでください。
相談をしっかりし、納得して進むことで、その後の会社運営がかなり変わります。

まとめ

運送屋さん

結論として、法人設立したいなぁ、と感じました。
でも、やっぱりよく分からない点が多いので、後で相談させてください!

法人の設立はメリット・デメリットが混在します。
そして、メリットが勝つかは本当に個人個人の状況、将来目標などで変わります。
大事なことは「自分が5年後10年後に、どんな風に仕事をしていたいか」「仕事の価値観はお金なのか、やりがいなのか、家族の安定した生活なのか」こういった一つ一つのことを整理しながら税理士さんと相談することです。

法人の設立というと、「節税」が目立ちますが、本道は「あなたが5年後10年後にどんな生活を送っていたいか」だと思います。
そのために会社を作ることがベストかどうかは、税理士さんもそうですが、他の経営者、家族…いろいろ相談してみてください。

もちろん、当事務所も相談は随時受け付けています。
税理士をしていて、「経営者の人生観を知り、相談に乗れる」ことが嬉しいので、ぜひご相談ください。

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    新潟市で税理士事務所を運営しています。
    公務員、大手製造メーカー、会計事務所と経験して、令和6年12月にハル税理士事務所を開業。
    現在は「経営者と一緒に成長していく」をモットーに活動中。
    趣味は軽登山(トレラン)、温泉、ゴルフ。

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