こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。
令和8年1月のとある日、無料税務コールセンター事業に税理士として参加してきました。
せっかくなので、その様子を記載してみます。
なお、上の写真は作業場となった「新潟税務署」です。
無料税務コールセンター事業での1日
2代目(予定)佐々木先生、今年もコールセンター?されていたそうですね。
どんな感じなんですか?
税理士に登録すると、そのまま地域の税理士会に所属することになります。
新潟市にあるハル税理士事務所は「関東信越税理士会の新潟支部」に所属しています。
そして、税理士の役目の一つとしてでしょうか、「無料税務相談会」「無料コールセンターへの従事」など適正な納税に役立つための活動に従事せねばなりません。
今回、新潟税務署において、1月のとある日に無料コールセンター業務に従事しました。
1.無料コールセンターってなに?
1月からの確定申告期において、確定申告用の無料コールセンターが開かれています。
確定申告期以外でもやっているますが、1月2月あたりは相談件数も増えるのでしょう。
エリアの税理士が駆り出されて、コールセンター員として従事します。
とはいっても、お客さんが電話すると直接税理士に電話がかかるわけではありません。
まずは、税理士でないコールセンター職員(民間のバイトの人?)に電話がつながります。
- 簡単な税金の問い合わせ(申告期限とか) ⇒ そのまま回答
- 確定申告書作成コーナーなどのパソコン操作 ⇒ 操作担当オペレーターへ
- 税務相談 ⇒ コールセンター税理士へ
こんな感じで振り分けられるみたいです(私も実際に勤務した感覚なので、ちょっと違うかも)。
簡単な問い合わせは、「確定申告期限が3月15日(2026年は土日のため3月16日)」「納税方法はダイレクト納税、振替納税が便利です」とかそんな程度だと思います。
それ以外の「普通に生きていて知ることのできる税金の知識」以上の質問はほぼ税理士に振られているような感覚です。
(コールセンターの民間の方が変に税金の回答して間違うと問題でしょうから、税理士に振るように指導されているのかも)
ということで、個人の確定申告にかかる質問にひたすら回答するお仕事が無料税務コールセンター業務ですね。
2.無料税務コールセンターでの1日
こんな感じのスケジュール。
- 9時 税務署集合、税務署員さんから業務の説明
- 9時30分~ コールセンター業務開始
- 12時くらい 昼休憩1時間(税理士が順番に取るので、前後にズレる)
- 16時30分 終了
※最後に、長い電話になると、大幅に時間伸びる、仕方ない。
だいたい1日丸々です。
勤務時間は6~7時間程度ですが、朝は渋滞に巻き込まれるので通勤時間が長い。
1月なので凍結、積雪しているとかなり朝早く出ないと間に合わない可能性がある。
ということで、朝がけっこう緊張しました。
通常は当事務所から新潟税務署は30分程度ですが、朝の渋滞、凍結などを見込み、1時間15分程度かかると考えて動いていました。
(実際にそのくらいかかりました)
2.無料税務コールセンターのお仕事



へぇー。
電話での相談って、どんなものが来るんですか?
私が当たった相談ですと、次のものが多かったです(令和8年版)
- 基礎控除の金額(令和7年に基礎控除が大きく変わったので)
- 申告義務(副業の人とか年金の方が、自分は申告しなければいけないかの確認)
- 確定申告書作成コーナーでの入力
- 生命保険金を受け取ったときの納税義務
- マンション、土地などを譲渡した場合の所得税



なんか、けっこう難しそうですね…。
答えられるものなんですか?
基礎控除や申告義務はとくに問題なく回答できますね。
その他、個人事業主の方では「減価償却」「青色専従者給与」なども聞かれますが、ここら辺は普段からお客様に説明しているので問題なく。
困るのは、話をしていると、お客様がそのまま確定申告書作成コーナーで入力の話に移っていくことです。
税理士の場合、税務ソフトを使っていて、国税庁の確定申告書作成コーナーは馴染みがありません。
確定申告書作成コーナーはオペレーターがいるので、そちらに回せばよいのですが、微妙に税務相談と一体になった質問の場合に税務的な回答しながら確定申告書作成コーナーの入力も教えることが数度ありました。
(私も確定申告書作成コーナーはあまり経験ないですが、基本の構造は税務ソフトと一緒なのである程度回答できる)
この状態になると、どこで線引きしてオペレーターに回すか考えながらしゃべったりしていました。
あと、「マンション、土地などを譲渡した場合の所得税」の話が数件ありましたが、これは電話回答はあきらめていました。
譲渡資産の取得費、建物であれば償却額、付随費用(登記費用が含まれるか否か)、長期譲渡か短期譲渡かの区別など、とても電話で回答できる内容ではありません。
内容が絞られていれば回答できますが、たいていは「マンション売ったけど、これ確定申告必要なのかいな?」みたいなボワッとしたところから電話が始まります。
「資料をそろえて、最寄りの税務署で対面で直接に相談された方がいいですよ」という回答に最後はなりますね。
ちなみに、「住宅ローン控除」の話が多いかなぁと思っていましたが、私自身はほとんど受けませんでした。
(たまたまかも…)
なお、回答範囲など受けた税理士に一任されています。
私自身は「無料」ということも含め、教科書的な内容で答えるようにしていました。
3.変わった問い合わせ



変な問い合わせとかはないんですか?
基本的にはコールセンターの最初の振り分けで、クレームなどは税理士にはあまり来ません。
ただ、質問内容が複雑なものはそれなりにあります。
- 準確定申告関係(亡くなった後の収入、経費が相続税か所得税=準確定申告かの判断)
- 能登半島震災の雑損控除
相続、準確定申告という、相続なのか準確定申告なのかという区別から始まる話は、電話されている本人も確定申告と相続税がごっちゃになっています。
「相続人の話か、被相続人の話か」「いつの時期に発生したものか(亡くなる前か後か)」など話を詳しく聞かないと難しいですね。
電話している本人もそんなに詳しく聞かれるとは思っていないため、けっこう話が長くなるケースが多いです。
また、能登半島震災(令和6年1月1日)の雑損控除についても、相談がありました。
タイムラグがあるので、一瞬戸惑いましたが、内容としては普通の雑損控除が基本となるので、無難に回答しました。
ちなみに、一番困った事態は、「コールセンターに税務署またはEtaxシステムの使い方を聞きたいのに、税理士に回された」という内容です。
今回、2日勤務しましたが、5回程度ありました。
コールセンターの最初の方に代わって謝りましたが、電話した側としてはたらい回しの感覚になるので難しいですね。
無料税務コールセンター事業



コールセンターお疲れさまでした。
税理士っていろいろやっているんですね。
私も税理士に登録して初のコールセンター業務でしたが、電話だけで相談を聞いて無理なく回答することの難しさを感じました。
また、「無料相談」だけに、どこまで回答するかの判断もけっこう難しいところがあります。
ただ、この後にも書きますが、「商工会の相談会」「確定申告相談会」など、「その場でヒアリングして回答する」体験は、普段の仕事とは違った良い経験になります。
普段、自分の事務所で作業する分には、調べる時間も本もWebもありますし、税務ソフトに入力すれば何となく答えが出ることもあります。
その場で自分の経験と知識のみで回答する作業は、地力とコミュニケーション力が試されるので良い経験です。
この作業で学ぶことも多いですね。
今後も、自分が若いと思っているうちは税理士会の活動にはできる範囲で協力したいと思っています。









