こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。
今回は、けっこう聞かれることのある質問に対する記事です。
そのまんま「税理士の仕事って何ですか?」です。
経営者、経理スタッフさん、個人事業主、一般の方…けっこういろいろな方から聞かれます。
何となく「税金の仕事」ということは分かっても、「実際に何の仕事をしているのか?」はイメージしづらいのでしょう。
(私も業界に入るまでは正確には分かっていませんでしたし)
当事務所の見解で、書いてみようと思います。
なお、税理士ブログ、経営関係のブログは次のとおりです。


質問される方の属性に合わせた税理士の仕事

佐々木さん、税理士の仕事って何ですか?
そういえば、資料を処理してもらったり、申告書を作ってもらったりしていますが、他にもあるんですかね?
税理士の仕事が何かは、ぼんやりと「税金に関すること」「申告書を作る」と理解されていますが、具体的には分かりませんよね。
また、どの程度まで対応してくれるのかも税理士によってまちまちかと思います。
そこで、「法人」「個人事業主」に分けて書いてみます。
(「一般の方(相続、贈与など)」については、長くなるので別記事と思っています)
①税理士の法律上の仕事の範囲
固いですが、法律上の話から入ります。
税理士の仕事で独占業務(原則、税理士以外はしてはダメ)は実は3つしかありません。
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
国税庁 税理士制度のQ&A 2 税理士の業務
ちゃんと、国税庁のHPに税理士の仕事が掲載されているんですね。
「税務代理」は、納税者に代理して申告を行う、税務調査で経営者に代理して発言、説明するなどがこれです。
「税務書類の作成」は、税務署に提出する申告書を作ることです。
「税務相談」は、申告や税の計算について相談を受け、回答することですね。
上記は、「有償」に限らず「無償」の行為も含みますので、無償で友達の会社の法人税申告書を税理士でないものが作り、そのまま代理して提出…何てことも法律違反ですね。



へぇ、以外に範囲が狭いんですねぇ。
申告書を作成して、提出する…が基本的な仕事ですかね。
あ、でも、日常的にウチの会社の税金関係の質問に答えてくれているので、以外に多いのかな?
業務は狭いと言えば狭いかもしれません。
ただ、「税務相談」は日常の税金関係の質問に答えることが含まれるので、そう考えると多いかもしれませんね。
②法人への対応



あれっ、でも佐々木先生はもっといろいろやってくれている気がします。
年末調整とか、償却資産申告とか…。
A.法人への業務いろいろ
税理士の仕事は、法律上では前記の3つ(税務代理、税務書類の作成、税務相談)です。
しかし、付随する業務や業務エリアの近い仕事をしている税理士事務所も多いですね。
- 記帳代行
- 給与計算
- 年末調整、法定調書の提出、給与支払報告
- 償却資産税の申告
上記は、ほとんどの会社に必要な業務であり、税理士が代行することも多いですね。
その他にも、業務エリアの近い仕事を看板に出している税理士さんも多いです。
- 補助金コンサル
- 経営力向上計画策定支援
- 融資コンサル
- 節税コンサル
- 行政書士業務
- 経営分析



へぇ、けっこういろんな業務があるんですね。
そういえば、佐々木先生も融資のお手伝いしてくれていましたね。
当事務所も「補助金」「融資」は業務内容に入っています。
「節税コンサル」は、当事務所では「税務相談」の中に入っていますね(作業を伴うものは料金をいただきますが)。
「行政書士業務」は、将来的に需要が出てくればやるのもありかな、と思っています。
「経営分析」は、簡易のものであれば基本料金に含まれていますね。
キャッシュフロー計算書を別途作成して、資金の動きを月、週単位で把握する方法を経理さんに教えるとかは別料金です。
B.法人対応の当事務所のポイント



佐々木先生の事務所ですと、どこに力を入れているんですか?
まず、法人の経営者さんに最初のヒアリングの段階で、「税務申告は当然として、記帳代行、給与計算、訪問の頻度、それ以外の希望(資金繰り対応、総務事務効率化、会計ソフト導入など)を聞きます。
お見積りの段階で個別に料金として提示して、必要なものを選んでもらう形を取っています。
そのうえで、上記の「付随する業務」は、すべて対応していますし、各項目を料金帝士てご依頼いただいたものをします。
ただし、依頼がない部分でも口頭でのアドバイスは無料でしていますね。
制度の説明だったり、効率化するには、だったり。
当事務所の方針として、「作業が発生しなければ基本は無料(というか、基本料金に含まれる)」です。
「業務エリアの近い仕事」も、ほとんど対応していますが、こちらは完全に別料金で行っています。
法人によって、必要なもの、あった方がよいものは違うので、「補助金」「融資」「経営力向上計画」など、当事務所として勧めるべきものから伝えていきます。



佐々木先生の事務所のおススメはあるんですか?
おススメとは少し違いますが、「融資対応」「経営力向上計画」は知っておいた方が良いと思っています。



意外ですね!?
タダでもらえる補助金が一番のおススメかと思っていました。
まぁ、補助金も悪くはありませんが、経営を安定して続けたいなら間違いなく「融資対応」は必須の能力です。
そして、「経営力向上計画」は聞きなれない経営者も多いと思いますが、税法上で大きな設備投資を一発で費用化できる強い制度です。
ある程度以上の規模の企業なら知っておいて損はない制度ですね。
具体的なところは、別記事でも書こうと思っていますが、問い合わせてもらうのが手っ取り早いですね。
③個人事業主への対応



いやぁ、佐々木さんにはけっこういろいろ相談しているんですよね。
A.個人事業主への業務いろいろ
前述のとおり、税理士の仕事として3つ(税務代理、税務書類の作成、税務相談)は当然として、個人事業主さんへも「付随する業務」は当たりまえです。
- 記帳代行
- 給与計算
- 年末調整、法定調書の提出、給与支払報告
- 償却資産税の申告
ただ、法人と違い、個人事業主さんの場合は「記帳代行」は当事務所では標準装備ですね。
あと、従業員さんがいない場合は、「給与計算」「年末調整」などはありません。
個人の方で「償却資産税申告」が必要になる方も少ないですね。
また、業務エリアの近い仕事も当然に個人事業主さんに対して行っています。
- 補助金コンサル
- 融資コンサル
- 節税コンサル
- 行政書士業務
- 法人設立シミュレーション



個人事業主さんに対しては、どの業務が多いですかね?
税務業務を除いた、「業務エリアの近い仕事」の中ですと圧倒的に「融資コンサル」の仕事が多いです。
「創業融資」の仕事をいだたくことが多く、たいがい成功していますね。
B.個人事業主対応の当事務所のポイント



あれ、「経営革新計画」と「経営分析」が消えてますね。
代わりに「法人設立シミュレーション」がありますね。
はい、個人事業主さんの場合は、「経営革新計画」、「経営分析」のようなテクニカルな方法や分析よりも、そもそもの事業形態(法人か個人か)を考えることがまず大事です。
そこで、一定の規模まで事業が伸びた段階で、「法人設立シミュレーション」を提供しています。
とはいっても、基本は無料のサービスですね。
単純に、個人事業主さんの場合、規模が大きくなる、もしくは、大きくしようとすると「法人の方が有利」な場面が多いからです。
とはいっても、その人の「業種」「利益額」「拡大方針」「管理能力」「同居家族の有無」などにより大きく判断が異なる部分です。
ですので、「一律に法人が良い」というわけでなく「法人にしたらこういうメリット、デメリットがあり、実際に税額はこう変わる、代わりに管理デメリットがこう出てくる」というところを正直に伝えるサービスです。
この点は別記事にしようかな、と思っておりますが、おおむね「シミュレーション参考になります」「具体的にイメージできました」などの声はいただいています。



みなさん、シミュレーションを見て法人化されるんですか?
いえ、当事務所の場合は半々くらいです。
もちろん、「すぐに株式会社設立!!」となる場合もありますが、反面、「現時点ではまだ…」となることもありますし(事務所もそう勧めます)、「これなら私は個人の方がいいな(事務所もそう勧めます)」となることもあります。
法人化のメリット・デメリットを知ったうえで事業を進めていくことはけっこう重要と思っています(結果、個人事業主を選ぶのも良いことです)。
④税理士ならではの仕事に対するこだわり



うむ、佐々木さんの業務エリアはよく分かった。
でも、私としては普段の税務業務もけっこう力を入れてくれていると感じるよ。
最初に、税理士の法律上の仕事として3つを挙げました。
じゃあ、この仕事はだれがやっても同じなのか?
当事務所としては「いえ、必ず違いは出ます」というスタンスです。



んー、同じ材料与えられたら同じ申告書ができる、と前におっしゃっていた気が…。
もちろん、そういう面があります。
実際には、税理士も専門家でありますが「すべての税法に精通しているわけではない」のです。
はっきり言えば、勉強をおろそかにしている税理士であれば、最新の税法を知らずに特別措置(納税者に有利に働く税法)をスルーすることもざらにあります。
また、立法により一昔前はOKだった方法がNGになることもザラにあります。
つまり、「常に勉強して最新の税法やトレンドを追いかける」ということが、税理士全員はできていません。
もちろん、私自身も抜けはあると思っています。
なので、税理士なら税理士会からの情報、税理士仲間からの情報はかなり重要ですし、私も逃さないようにしています。
また、「お客様に最新の税法や既存の税法でも今回だけは適用できる」ような状況をしっかりとエビデンスを含めて説明することが重要と思っています。



佐々木先生の事務所のモットーは「エビデンス重視」「アカウンタビリティ(説明する責任)」でしたよね。
お客様に説明するためにはしっかりと法体系を押さえる必要があり、結果として自分自身を助けることにもなります。
ここを嫌がって、端折ってに説明したり、感覚で説明する、もしくは説明をしない状況になったら「税法の専門家」として終わり、と思っています。
この「エビデンス重視」「アカウンタビリティ(説明する責任)」は、当事務所としては「当たり前」であり、「当事務所の特徴」でもある部分です。
税理士の仕事のまとめ



佐々木先生、けっこう熱を入れて語っていましたね。
税理士ならではの分野で、根本的な部分だけにけっこう熱は入りました。
でも、実際にお客さんに語るときには、必要があればもっと語りますし、そうでないシチュエーションでは軽く済ませる時もあります。
結局、税理士業は「サービス業」ですし、「命令されたこと」「法律で決まっていること」をやるだけではありません。
申告書という結果に至る過程をしっかりと説明できるかどうか、そして、それがお客様の事業にどう影響するかを伝えられるかが勝負と思っています。
税理士についてもっと知りたい、語ってみたい方は気軽にご相談ください