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【相続・贈与】配偶者の税額軽減と名義預金(へそくり)

2026 1/01
相続・贈与
2026年1月1日
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  3. 【相続・贈与】配偶者の税額軽減と名義預金(へそくり)
相続と贈与

※この記事は令和8年1月現在の法令に基づいて作成しています。

こんにちは、新潟市で活動しているハル税理士事務所、税理士の佐々木です。
今回は相続における配偶者の税額軽減(最低1億6千万円の控除)を当初申告し、後から修正申告する場合、特にそれが名義預金とされる場合のリスクについての話です。
直近で、この件について考えるケースがあったので、将来のために記事にしておきます。

なお、過去の相続・贈与の記事はこちら。

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目次

配偶者の税額軽減と修正申告

1.配偶者の税額軽減とは

2代目(予定)

そもそも、配偶者の税額軽減って、どんな制度でしたっけ?
前に解説してくれた記憶はありますが、詳細忘れました…。

参考に、以前の記事を貼っておきますね。

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被相続人(亡くなった方)の配偶者が存命である場合、最低でも相続財産のうち1億6,000万円までは相続税がかからない、という非常に効果の強い制度です。
ただ、この制度は「申告することで有効となる」性質があります。
つまり、自動適用される制度ではなく、相続人が「適用します」という申告をすること(添付書類なども忘れずに)で有効になるのです。

では、この配偶者の税額軽減について、正しく申告した後で困ったことになるケースについて。

2.相続制度における名義預金とは

まず、本題に入っていく前に、相続税という枠の中での「名義預金」について、簡単に説明します。

名義預金とは、

名義預金の定義

名義預金とは、「被相続人以外の名義の預金」だが「所有権は被相続人である預金」です。

とくに、国税庁ではっきりと定義が決まっている言葉ではありませんが、だいたい上のような意味です。

とはいっても分かりにくいので、もっと具体的な例で示します。

  • 父が子供の名前で銀行口座を開設し、その口座に少しずつお金を貯めていったが、子供はそのことを知らない
  • 配偶者である専業主婦が、生活費の一部を自分の口座に貯めていった

銀行口座の名義人である子供や配偶者が「自分で稼いだお金ではないもの」を貯めていったもの。
お金の出所が、自分でなくて被相続人であるもの。
こういったお金については、税務調査があると「名義預金」として、被相続人の財産として認定され、結果として相続財産が漏れていたとされることがあります。

とくに、上の例で言えば「父と子」については、名義預金だと理解しやすいです。
子供はそんな口座があることも知らず、口座のお金を自由にすることもできない。
それなら、被相続人の財産だと言われても仕方ない、という気もします。

しかし、上の例の「専業主婦が生活費を貯めた」ケースは、反発が大きいです。
専業主婦目線で言えば「やりくりして貯めたお金だし、専業主婦とはいえ主婦側の努力で貯めたもの」と考えます。
まさか、それが亡くなった旦那の相続財産に含まれるなんて考えませんし、税務調査でそう言われたらかなり反発すると思います。

スタッフさん

そうだそうだ!
専業主婦だって、へそくり貯める権利くらいあるんだ!

今の日本の税制だと、へそくりは専業主婦の財産とされない可能性が高いんです…。
困ったものです。

3.申告した後でへそくりが名義預金とされてしまった…

スタッフさん

でも先生、そもそも配偶者なら1億6000万円まで相続税かからないんでしょう?
だったら、後でへそくりが見つかったって、へそくりも足して1億6000万円以内なら関係ないですよ。
税務署には負けませんよ!

たしかに、配偶者なら1億6000万円まで相続税かからないし、後でへそくりが名義預金とされたって、1億6000万円の範囲内なら問題ないじゃん、と思うかもしれません。
しかし、へそくりが後から見つかった場合で、かつ、既に配偶者の税額軽減を申告してした場合には、修正申告となります。
その場合に、仮装隠蔽と判断されると、仮装隠蔽とされた金額部分には「配偶者の税額軽減」が使えません。

国税庁 法令解釈通達 第19条の2《配偶者に対する相続税額の軽減》関係

国税庁 質疑応答事例 相続税・贈与税 隠蔽又は仮装に係る財産があった場合の配偶者に対する相続税額の軽減

下の「隠蔽又は仮装に係る財産があった場合の配偶者に対する相続税額の軽減」の方が分かりやすいです。
簡潔に言うと、「仮装隠蔽した財産部分には配偶者の税額軽減は使えません」ということです。

スタッフさん

へそくりしただけで、悪いことなんてしてないですよ!
仮装隠蔽なんて、犯罪みたいに言われるの心外です!!

まぁ、そうなんですが…。
へそくりがあるから、そして税務調査で見つかったからと言って、それがそのまま仮装隠蔽となるわけではありません。

しかし、税務調査での受け答え、金額の大きさ、被相続人と配偶者とのやり取りによっては仮装隠蔽と認定され、結果として配偶者の税額軽減が使えずに相続税を課される可能性があるということです。

4.そもそも、相続財産に計上するという対策

2代目(予定)

後から税務調査でいろいろ言われるくらいなら、最初から相続財産としてしまえばいいのでは?

その通りです。
当事務所の方針としては、配偶者が専業主婦である場合、何とか失礼にならないように「配偶者の方の預金額」を聞くようにしています。
そして、「へそくりが名義財産となる可能性があること」「後から税務調査で認定されると、配偶者の税額軽減が使えなずに相続税が発生するリスクがあること」を伝えます。

配偶者が専業主婦である場合で預金額が大きい場合には、リスクなど先に伝え、被相続人の財産としてあらかじめ計上して当初申告で「配偶者の税額軽減」を適用してしまいます。
配偶者の心情としては「私が努力して貯めたお金なのに、被相続人(だんな)の財産として申告するのか…」と複雑かもしれませんが、相続税という枠の中ではその方が安全です。

この点、できるだけ丁寧に説明することで、配偶者の方に納得してもらうようにしています。
相続税の申告は一発勝負なので、できるだけ相続人の方の負担が少ないように考えた結果です。

まとめ

スタッフさん

佐々木先生が相続人のためを思って、いろいろ考えてくれているのは分かりました。
でも、専業主婦のへそくりが許されないなんて…。
日本の制度はおかしいです!

気持ちは分かりますが、現状ではどうしようもありません。
税理士としては、とにかく相続人の有利になるように、かつ、リスクが少ない方法を丁寧に説明するのみです。

世の中のルールは、状況に合わせて少しずつ変わるので、もしかしたら将来的には「専業主婦のへそくりは努力の結果であり、だんなの生涯年収の〇割まではOK」とかになるかもしれません。
そういう判例とか出たらいいなぁ、とか思いますが…。

相続の税務は複雑です。
対策など含めて相談されたい場合は気軽にご連絡ください。

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    新潟市で税理士事務所を運営しています。
    公務員、大手製造メーカー、会計事務所と経験して、令和6年12月にハル税理士事務所を開業。
    現在は「経営者と一緒に成長していく」をモットーに活動中。
    趣味は軽登山(トレラン)、温泉、ゴルフ。

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